Q&A

アトピー編

●ある冬の診察風景・・・・・

母:

うちの子、かさかさでかゆがっているのですが、アトピーでしょうか?
血液検査で卵アレルギーだといわれたのですが、どうしたらいいでしょうか?

Dr.:

まあまあ、あわてずに服を脱いで皮膚を見せてください。
ほう、全体がかさかさですね。この感じだと1ヶ月位にはなるかな?
ところで、オムツをしているところはしっとりして何もないですね。どう思いますか?

母:

さあ?オムツをしているから乾燥していないからかしら?

Dr:

そうそう、そういうことですね。
ということは、今あるかさかさの原因は少なくとも食物のせいではないでしょうね。食物が原因なら、オムツの中がつるつるで、他がかさかさっていうのは変でしょう?

母:

そうですね。

Dr:

ところで、お母さんの手もかなりかさかさで、ひび割れてつらそうですけど、いつからですか?

母:

1ヶ月くらい前からかしら?

Dr:

ということは赤ちゃんと一緒位からですね。

母:

そういわれればそうですね。

Dr:

何か手に塗っていますか?

母:

はい。ハンドクリームを塗っています。

Dr:

そうですね。
赤ちゃんも一緒で、お母さんの手荒れの延長がここにあると考えてくださいね。そうすれば、オムツのところにかさかさがない理由も、最近ひどくなった理由も納得行きますね。

母:

はい。

Dr:

お母さんの手荒れはかゆいときはハンドクリームで治りますか?

母:

いいえ、ぜんぜん治りません。

Dr:

そうですね。赤ちゃんもいっしょですよ。かゆいときは医者の薬を塗ってかゆみを取って、それから保湿クリームを塗ってくださいね。

母:

塗り方はかゆいところだけ塗ればいいのですね。

Dr:

そうそう、かゆいところだけ。ではお母さんご自身で実際に塗ってみてください。

母:

こんな感じでいいですか?(右手指先にちょこちょこっと塗っている)

Dr:

だめだめ。見た目でなく触ってみると塗っていないところもざらざらごわごわでしょう。こう言った所も体全体だから結構かゆいのですよ。そこも塗らないとかゆみが取れないから、結局、もぐらたたきみたいになって治らないのですよ。

母:

はい。でも血液検査で卵アレルギーを言うのは?

Dr:

残念ながら、血液検査では、偽陽性といって犯人ではないのに誤って犯人にしてしまうことが、けっこうあるのです。したがって小児科なり、皮フ科なり主治医の先生と話し合いしてください。決して血液検査だけで軽はずみに判断しないでくださいね。 あなたの赤ちゃんに関しては、皮膚炎の程度や今までの経過から見て、卵アレルギーではないと思いますよ。

●ポイント

冬は、ママがハンドクリームを塗り始めたら、子供さんもすでに、かさかさが始まっていると考えてください。 手荒れだけでもつらいなら子供さんは、からだ全体ですから、もっとつらいと考えてください。
痒みがあると きは保湿クリームだけではだめです。皮膚病を長引かせるだけです。薬をまずは使用して痒みをとってから保湿に してクリームにしてくださいね。   子供が入浴どき、服をぬぐとき、掻くしぐさを観察してください。掻く範囲 は意外と広いものです。赤くなってないけどざらざらしているところもかゆいのです。ちょっとした塗り方ひとつで 効果は2倍も3倍もちがってきます。(かゆくてかわいそうね)とやさしく声をかけて塗ってあげれば、もっと効い て安心して寝られるかもしれません。

●生真面目な紳士との会話・・・・・

Mr:

この際、徹底的にアトピー性皮フ炎のアレルギーの原因を探し、根本的に治してしまいたいのですが…

Dr:

そもそも、アトピー性皮フ炎=アトピーアレルギーというわけではありません。
ほとんどの人が全く同じだと思っているので、医者と患者の大きなボタンの掛け違いに気付かず、話しあっていることになります。

近年、アトピー性皮フ炎の病変をAtopicdermatitis eczema syndrome (ADES)と新たに提案されています。どういう意味かといいますと、ア トピーアレルギーやT細胞関連アレルギーや非アレルギー性を含む多様性のある湿疹群がアトピー性皮フ炎 であると考えようということです。

重症のアトピー性皮フ炎の方は増悪因子をひとつずつ可能な限り取 り除いた上で、抗アレルギー剤、ステロイド外用剤、タクロリムス外用剤、抗生剤、漢方薬、紫外線療法などを 組み合わせ、生活の質の向上を図ることが大切だと考えます。

ビタミンC編

●悩める乙女の診察風景・・・・・

Ms:

薬局でピュアビタミンCを20%も含んでいる化粧水がありましたが、やはりたくさんビタミンCが入っているものの方が効くのですか?

Dr:

ビタミンCといってもどんなビタミンCでも美白効果があるわけではないのですよ。
大きく分けて、アスコルビン酸(ピュアビタミンC)、アスコルビン酸グルコシド、リン酸型ビタミンC(水溶性)、アスコルビン酸イソパルミテート(脂溶性)になります。

アスコルビン酸は安定が悪くPHが低いので、肌に塗ると刺激を感じたり、紫外線でラジカルを発生したりして逆にシミの原因にもなることがありますし、アスコルビン酸グルコシドは、一般の化粧品に多く配合される美白成分で安定性はいいのですが、皮膚にある酵素ではビタミンCに転換されにくいのです。
リン酸型ビタミンC経皮吸収され易く細胞に持続的にビタミンCを供給し、ニキビ防止・皮脂分泌抑制・コラーゲン合成・メラニン色素抑制などの学会報告があります。

アスコルビン酸イソパルミテートはテトラへキシルデカン酸アスコルビルともいって、脂溶性の誘導体で水溶性の3倍くらい吸収されやすいのですが、オイルですので化粧水には配合しにくいのです。

Ms:

では、リン酸型ビタミンCで濃度の高いものを選んでくればいいのでしょうか?

Dr:

学会などでいろいろ報告されていますが、5%以上配合しても効果はそれほど高まらず、皮膚が乾燥するといったデメリットが出てきているようですよ。

Ms:

市販されているものでも効果はあるのでしょうか?

Dr:

ある程度は期待できるでしょうが、化粧品では2〜3%のものがほとんどです。
効果を発揮する5%以上の配合は医療機関での取り扱いになっていますから、診察を受けて自分の肌に合うものを処方してもらうのが一番いいと思いますよ。

Ms:

わかりました。では、化粧水として使えばいいのですね。

Dr:

はい、そうです。より効果を期待するならローションパック(コットンやマスクに化粧水を浸み込ませて20分位置く)やイオン導入をしてくださいね。

●ポイント
一口にビタミンCといってもどんなものでも良いのではなく、吸収型のリン酸誘導体や脂溶性の誘導体を選び濃度に惑わされることなく選択してください。ただ塗るより、時にはひと手間かけてローションパックやイオン導入で効果を高めてくださいね。
特に、ニキビや毛穴の開きには有効です。
          

・ピュアビタミンC…AsA ・アスコルビン酸グルコシド…AG ・リン酸型ビタミンC…AP

肌荒れ編

●リッチなマダムの悪循環・・・・・

Mrs:

肌がかさかさして、シミも増えてしまって年齢の性でしょうか?

Dr:

確かに年齢によることもあるでしょうが、どのように化粧品を選び、使っていますか?

Mrs:

選ぶときはテレビや雑誌でシミやしわに効くといわれているものを高くても選んで、しっかりと使うようにしていますし、エステにも通ってオイルマッサージで栄養を肌に与えるようにがんばっています。

Dr:

気を使ってがんばっていますね。
でも、化粧品のフルコースを何種類も丁寧にすり込むと言うことを毎日繰り返すことにより、自分自身の保湿成分をどんどん取っていってしまっているのですよ。
だからお金をかければかけるほど、肌がかさついてまた、そのためにクリームをすり込むと言う悪循環に落入っているのです。
そして、クレンジングも石鹸も同じようにこすり過ぎたり使用し過ぎてしまうのですね。

特に頬の部分は一番こするとき力が加わりますから、頬にしみのある方、頬の皮膚が薄くなってテカテカしている方、頬の部分の血管が浮き出て皮膚が薄くなりシミもある方は間違いがないと思ってください。

Mrs:

まず、どうすればいいのでしょうか?

Dr:

こすらないようにクレンジングして、石鹸も本来の目的は洗浄することですから、普通の固形石鹸を良く泡立てて顔の皮膚が動かない程度で、産毛をなでる様に洗ってください。また、角質ケアにも気を使ってくださいね。

角質が厚く、硬くなっているところにいくら化粧品を塗りこんでもうまく浸透しません。
ケミカルピーリングでも良いですし、ピーリング作用もあるレチノイン酸を使えばいいのではないでしょうか。
シワ予防としては抗酸化と保湿がポイントになりますから、抗酸化作用のあるビタミンCや保湿作用のあるセラミド、ヒアルロン酸、NMF(天然保湿成分)などを含むものを適量使いましょう。また、活性酸素対策として紫外線ブロックはとても重要ですから、夏だけでなく一年を通して日焼け止めを使ってください。
もちろん、血中の活性酸素を発生させるタバコもだめですよ。

Mrs:

よくわかりました。でも、シワに良く効くレチノール配合とある高いクリームを見かけますが、どうなのでしょうか?

Dr:

市販の化粧品に含まれるレチノールの生理作用はレチノイン酸の100分の1くらいの作用しかありませんので、保湿クリームとして考えてください。
シワの改善には肌細胞そのものに働きかけて活性化させるビタミンA誘導体のレチノイン酸が最強でしょう。ただこれは医師の処方と指導の下に使わなければなりません。

●ポイント
化粧品や洗顔はこすり過ぎないように優しく行い、お金をかければきれいになれるというのではなく、自分にあった機能的に納得できる物を選んで素肌美人になりましょう。

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